障がい者雇用で社内改革 札幌市と共催でフォーラム
2018.01.16(火)

「2017障がい者雇用を通して企業づくりを考えるフォーラム」が11月21日、札幌市内で開催されました。札幌市と札幌支部障がい者問題委員会が共催し、今回で11回目。会員経営者や社員の他、障がい者、その家族、福祉関係者、高等養護学校、行政関係者など168人が参加しました。
前半の「障がい者雇用に挑戦する企業経営者によるパネルディスカッション」では、雇用事例が紹介されました。障がい者就労体験実習事業をきっかけに、障がい者を雇用したALS―OKサービスの富田訓司社長は「仕事の切り分けで多くの仕事を作り、障がい者や社会的弱者の雇用を増やしたい」と語りました。
コーディネーターを務めた、はるにれの里就労移行支援事業所あるばの吉岡俊史所長は「多様な働き方で可能性を発揮してもらい、企業や社会への貢献をそれぞれの立場で考えて」とまとめました。
続いて、岐阜同友会代表理事である東海化成の景山昌治社長が「共に育つ~パートナーとしての障がい者雇用を目指して」をテーマに講演しました。
同社は育苗用プラスチック製ポットのトップメーカーで、6人の障がい者が働いています。当初は補助作業程度でしたが、同友会でA型作業所を見学。健常者以上に働く姿を見て、社内でジョブコーチを養成し、責任のある部門を任せることにしました。
新たに自閉傾向のある社員を雇用すると、なかなか業務に集中しません。障がい特性を学び直し、労働環境の改善や組織の見直しを進めました。その結果、製造ラインを改善することになり、製品の品質向上にもつながりました。今では商品の仕上げ、機械調整やナイフを使うような作業も一部任せられるようになり、無くてはならない社員になっています。
景山社長は「忘れてはならない事は、経営者が障がい者雇用をするのだという固い意志を持つことです。社員がすぐに協力してくれるとは限りませんが、あきらめずに続けることです」と強調。
「ボランティアや慈善事業ではなく、障がい者を私たちが期待する仕事ができるように育てていかなければ長続きしません。仕事を通じて社員と共に育つことです。これこそが人間尊重経営なのだと考えています」とまとめました。
(中小企業家しんぶん 北海道版 2018年1月15日号より転載)
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