多様な人が輝ける職場を理想に掲げて<障がい者雇用支援フォーラム>
2019.10.24(木)

障がい者問題委員会は、9月19日に「障がい者雇用支援フォーラム」(札幌市委託事業)を札幌パークホテルで開催し、174名が参加しました。
テーマ「多様な人が輝ける職場を理想に掲げて~障がい者雇用で見えてきた、人が生きる経営の本質~」
<第一部 講演>
滋賀同友会・代表理事 (株)ピアライフの永井 茂一氏が登壇しました。
【永井氏】「会社を引き継いだ当初は障がい者雇用など自社では無理だと考えていました。
同友会の勉強会で経営者の話を聞き、障がい者の働けない社内環境を作っているのは経営者自分自身なのだと気づきました。
これまで、発達障害や聴覚障害、ひきこもり経験者など、様々な種類の働きづらさを抱えた人たちを採用してきました。
仕事の楽しさを知った彼らは、生き生きとした表情で、今は営業や総務のトップで活躍しています。
多様な人が働ける場を作り、地域を輝かせてゆくことが私たち中小企業家の役割なのだと私は考えています」
<第二部 永井氏を交えてのトークセッション>
・パネリスト
(株)ピアライフ 代表取締役 永井 茂一 氏
(有)熊谷テント製作所 代表取締役 熊谷 嘉行 氏
(株)プラザ 相談役 髙橋 敏雄 氏
・コーディネーター
社会福祉法人はるにれの里
就労移行支援事業所あるば 所長 吉岡 俊史氏
トークセッションでは、永井社長を交え、3名が登壇し、障がい者雇用に奮闘したこれまでの歩みを語りました。
中盤では、熊谷テント製作所で働く知的障害を持つ男性社員が登壇。
熊谷社長と仲睦まじく会話をする様子から、普段の職場での雰囲気がリアルに伝わりました。
熊谷氏は「障がい者雇用を考えたとき、重度障がい者のイメージが強くあり、なかなか雇用に乗り出せませんでした。
しかし、彼らにもできることはないかと仕事を洗い出してみると、この仕事に興味を持つ方とも出会え、
さらに会社の業務を見つめ直すきっかけにもなりました」と語りました。
髙橋氏は、健常者と障がい者社員との関わりで苦労した実例も紹介。
「彼らの特性を理解し対応を変えたことで、職場への所属意識が芽生えて能力を発揮し、
次第に周りに愛される社員となりました。まずは経営者自身が障がい者を知る努力をすることで、
社風が変わってゆくのだと思います」と、障がい者雇用を考える企業を後押ししました。